日本人に一番多い叢生(ガタガタさん)の治療例を紹介します。

・主訴(矯正を受けたいと思った理由):ガタガタ
・診断名:過蓋咬合を伴う叢生
・初診時年齢:12歳10か月
・治療に使った装置:Ⅱ期治療…マルチブラケットシステム(MBS)、パラタルリンガルアーチ、ヘッドギア(HG)
・抜歯部位:上下左右第1小臼歯4本抜歯
・治療期間:Ⅱ期治療…2年9カ月
・治療費概算:85万円ほど(*当院の治療費に換算しての概算です)
・かみ合わせが深い方の場合、できるだけ抜歯を避けたいところですが、この患者さんの場合永久歯の入るスペースが足らないため抜歯せざるを得ませんでした。
抜歯をすることでかみ合わせがもっと深くなることを避けるために、一時的に部分に分けてブラケットを付けたりワイヤーを2本重ねた治療を行っています。
また、歯の大きさが上下であっていませんでしたので、IPR(ディスキング)という歯を少しやすりのようなもので磨いてサイズや形を整えるような治療も行いました。

→叢生の治療のリスク:虫歯などのない健康な歯を抜歯しないといけない場合があります。また、ガタガタが強い部分には特に歯の移動に伴う歯肉退縮やブラックトライアングル(歯と歯の間の黒い空間)が起こる可能性、歯根吸収、希望にそぐわない口元の変化などがリスクとして挙げられます。
一般的なリスクはこちら 

Ⅱ期治療

叢生_初診時

↑治療を始めるときの写真です。ちょっと出っ歯でガタガタの歯並びです。
ガタガタが強く、顎の中に歯が入りきりませんでしたので歯を抜いて治療を行うことになりました。

叢生_ブラケット①

↑まず初めに、前歯が入る隙間を作るために横の歯を動かしました。
このように、はじめは部分的にブラケットをつけて調整することがあります。

叢生_ブラケット②

↑隙間ができたので、前歯にブラケットをつけました。

叢生_ブラケット③

↑ガタガタがだいぶ良くなってきました。
歯を抜いた隙間を使って、前歯を後ろに引っ込めています。
また、かみ合わせの調整も同時に行っています。

叢生_終了時

↑治療終了時です。出っ歯でガタガタだった歯がきれいに並びました。

叢生_治療経過

↑治療経過です。このように、症例によっては歯を抜いてなおすほうがきれいになることもあります。