矯正歯科を受診する際の医院の選び方

まや矯正歯科の秦泉寺です。
前回のブログから期間が開いてしまいましたが、皆様どのように過ごされていましたか?
相変わらずコロナがおさまらず、岡山も一時期緊急事態宣言が出されました。
なかなか落ち着かない世の中です。
最近は私は大変大変というのがだんだん嫌になってきたので、コロナのおかげでよかったことを探すようにしています。
矯正歯科で言うと、一番大きかったのはマスクでしょうか。
患者さんの中には、マスクをしている期間の間に矯正を始めて終わったので、誰にも気づかれなかったというような方もおられます。
そういう方は皆さんコロナでよかったと言われます。
大変なことも多く、つらい思いをされた方もおられるので不謹慎と思われる方もいるかもしれませんが、つらいことばかりでは気持ちが参ってしまいます。
いい面にも意識を向けてできるだけ楽しく日々を過ごすことも大切なのではないかと思う今日この頃です。

矯正歯科を選ぶ基準って?

さて、こんなことを書くと矯正を勧めているように思われるかもしれませんが、私自身は無理にする必要はないと思っています。
もちろん、やったほうがいいと思うような方もおられますのでケースバイケースですが、最終的には個人の希望によるところも多いかと思います。
もちろん私は矯正科医なので、矯正をするメリットは良く分かっているつもりです。
矯正相談に来られた患者さんたちにはそのメリットと同時にデメリットもしっかりお伝えしたうえで、治療を始めるかどうか決断していただきます。
ですが、まず最初に矯正を考えた時点で、どこに行ったらいいのか迷われて足踏みされる方も多くおられるように感じます。
そこで、今日は私の一個人の見解として、矯正歯科を選ぶ基準をお伝えしたいなと思います。

選ぶポイント①場所を選ぶ
 矯正治療は長期間通わないといけない可能性が高いです。
 治療の内容により、通院は月に1回~数ヶ月に1回程度とはいえ、数年~10年近い期間通うことになります。
 そのため、通うことが負担で通わなくなると治療が中断し、装置による不具合や虫歯・歯周病などにより口腔内の状態が悪くなることもあります。
 また、装置を付けるため何かトラブルがあった時には近くですぐに行くことのできるほうが圧倒的に安心です。
 これらのことから、長い期間通うのに通いやすい立地であることは大切です。
 そのため、転勤や引っ越しの予定がある場合は、治療期間もしっかり考えたうえで開始したほうがいいですね。
 治療を開始する時期を待って引っ越し先で始めたほうが通院を考えるといい場合も多いです。

選ぶポイント②予約の取りやすさを考える
 矯正治療の予約は基本的にどこの病院でも完全予約制です。
 なので、予約が取れればいいのですが、医院によっては月に1回だけ矯正日を設けていたり、逆に土日も予約が取れたりと様々です。
 月に1回でも基本は曜日固定ですので自分が確実に予約の日に予定を入れずに開けておけるというのであれば大丈夫です。
 でも、もし学校の都合などでなかなか予定がはっきりしないというのであれば、予約の取れる曜日や時間の多い医院を選ぶほうが無難だと思います。
 また、患者さんの多い医院などは診療の日が多くても予約が埋まりやすい傾向にあります。
 特にどこの医院でも矯正歯科は土日・夕方夜間が予約の埋まりやすい傾向にあります。
 この辺の曜日時間希望の方は、予約をとった日時に確実に行けるよう自分の予定の調整も必要です。
 予約がとりにくい場合は、有給休暇や学校行事などでの不定期のお休み・夏休みなど、混み合う日時を避けたお休みをうまく利用するのがいいでしょう〇

選ぶポイント③ドクターの専門性を確認する
 矯正治療は言わずと知れた技術仕事です。
 正確な診断と緻密な処置、長期的な視点が必要な、歯科の中でもより専門性の高い分野です。
 そのため、一般的に安心できると言われているのが「認定医」です。
 認定医は、日本矯正歯科学会や日本成人矯正歯科学会、日本臨床矯正歯科学会のほか、海外の矯正専門コース、ある一つの処置に関する認定コースなど数多くありますので、何を基準に選んだらいいかわからないと言われることもあります。
 この中で一番メジャーなのは、各矯正歯科学会の認定医です。
 矯正歯科認定医になるには、指導医のいる専門機関で指定された年数矯正治療を行い、相応の人数の治療を行い、ベテランの矯正科医から診査を受け治療の技術が十分に認定医に達していると認められる必要があります。
 そのため、認定医はまず基本的な知識と技術はじゅうぶんに身に付けていると言えます。
 また、認定医を維持していくには継続した学会の参加、維持のための審査など、知識・技術の更新が必要です。
 そのため、認定医は少なくとも新しい知識や技術の更新に励んでいると言えます。
 そういう意味で、矯正歯科のスペシャリストとしての安心感があるのではないでしょうか。

選ぶポイント④自分の希望に合った装置かどうか
 情報があふれているので、最近は患者さんたちも使いたい装置を考えてきてくれることが多くなりました。
 裏側やマウスピース、外科矯正など様々ありますが、医院によっては選べないものもあります。
 そのため、自分の希望に合った装置での治療に対応している医院を選ぶというのも一つの選択肢かと思います。
 ただし、これに関しては口腔内の状態によっても適応があるため、希望している装置を必ずしも使えるとは限りません。
 そのため、矯正相談時にしっかり自分の希望を伝えて自分の治療にあっているかどうかをしっかり確認して下さいね。

選ぶポイント⑤医院やドクター、スタッフの雰囲気
 患者さん本人やご家族含め、医院に通っていて信頼できるかどうかは重要です。
 治療を行う上でも、信頼関係があるかどうかが治療の成否を左右することもあります。
 ましてや矯正治療は高額で痛みを伴うこともあり、治療が大変だと言われていて不安がいっぱいです。
 先生やスタッフの方にしっかり相談できるかどうか、話しやすいかどうかや安心して治療が受けられる雰囲気か、清潔感はあるかなど、長く通うからこそしっかり見極めたいところです。

選ぶポイント⑥治療費が明白かどうか
 ポイント⑤にもつながりますが、治療費の問題はとても重要なところです。
 後出しじゃんけんのように後から追加で請求されてしまうこともないわけではありません。
 しっかり事前に必要な費用、支払方法、タイミングなど詳しく説明してくれるかどうかは重要なところだと思います。

選ぶポイント⑦デメリットをしっかり説明してくれる
 治療である以上、デメリットはつきものです。
 特に、矯正治療は場合によっては健康な歯を抜かないといけないこともあり、また歯根吸収や顎関節症の悪化のリスクなど様々なリスクが伴います。
 そうならないために患者さん側が気を付けないといけないこともあります。
 事前にきちんと説明を受けて納得した上で治療を進めることは重要です。

選ぶポイント⑧自分に似た症例の写真を見せてくれる
 個々の歯並びはみんな違いますが、わりと似たケースもあります。
 自分の歯並びがどんなふうに治るか、治療の経過や前後の状態などを見せてもらうのもいいと思います。
 これまでになおしたことのあるタイプのお口の中であれば使った装置や期間など具体的にお話できるのでイメージがわくと思います。
 また、難しいケースなら自分に対応した経験がないことを説明の上、それでもできることをお話して治療をするか決定してもらいます。

ここまでに挙げた以外にも、虫歯の治療ができるかどうかや治療中の口腔ケアの仕方はどうなっているかなども気にしたいポイントです。
場合によってはかぶせ物などのやり直しやインプラントも必要となってきますので、そういった矯正治療以外の治療にどこまで対応しているかも確認したほうがいいですね。

と、いろいろ挙げてきましたが、なかなかこれらすべてを網羅することは難しいかもしれません。
まずは自分の優先順位を考えて、矯正相談時に自分に合った医院をしっかり見極めてもらったらいいのではないでしょうか。

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